かじまるの人生日記

いつも幸福な人間が、その人格を考察したり仲間を探すためのブログ

心理学的なユートピア、ユーサイキアの世界

怪しいタイトルになってしまった。

マズローが提唱した「ユーサイキア

すべての人が心理学的に健康であるような心理学的なユートピアの状態、これをユーサイキアと呼ぶ。自己実現が達成されるような理想社会のこと。要するに、世の中が自己実現者ばかりで、その際に実現するであろう理想の文化や社会。

自分も同じようなことを考えていたので、これを知って興奮した。

僕が考えた最高の世界

前提

自己実現は自己受容を経ることなしに達成できない。
マズローの理論でも明示してあるし、経験からしてそれが当然だという認識がある。
この世界では下記2種類の人間がいるものとする
・自己受容を経た自己実現
・自己受容者

すべての人が少なくとも自己受容をしている

ありのままの自分を受け入れる強さを持っているということであり、弱さや未熟さゆえに他者に害をなすこともないということ。

競争は必要ない。戦争もない。軍事予算とかいらない。
過剰サービスなどなくても今あるもので満足できる。
見栄を張る必要ない。特別でなくてもいい。
対人関係で気を使う必要がなく、すぐに信頼を築け、共同体感覚が得れる。

人間が自然体のままで幸せに生きていくことができる。

文明の発展は、そのコトに自己実現を見出した自己実現者が行う

私利私欲で動く人はおらず、自己実現者のモチベーションに競争原理は必要ない。
会社や国を超えて一つのことに科学者や技術者が取り組む。
医療や科学やIT、すべての分野で、発展の速度は大幅にアップする。
この人たちにとって高待遇は必要ないが、一応、それ以外の人たちよりは裕福な生活ができることにする。

現在の常識では、
発展にはマイナスの動機が必要だと思われている。
女にもてたい、周りより幸せになりたい、金持ちになりたい、地位を得たいという承認欲求は、大きな力を発揮する。
だけど、その承認欲求を実現したあと、その人は幸せでい続けられるのだろうか?
実現する過程で他者を陥れることはないだろうか?

最初の目的は達成したのに、なぜか幸福が続かないから、人はさらに承認欲求を追い続ける。
自分でその状態に気づくことは難しい。
そして結局は、こういったマイナスの動機は発展を大きく阻害する。

自己受容者たちはベーシックインカム的なもので生活する

共産主義で良い。競争のないこの世界では経済すら必要ないかもしれない。
食料供給や単純労働は、上記の理由で大きく発展したロボットが行う。
もちろん、幸福に生きるにはダラけて遊び呆けるより、働いたほうがいい。
働きたい人は、福祉でも何でもいいけど、好きに仕事を見つけてやればいい。

娯楽はもちろんある

自己実現者でも自己受容者でもいいが、提供したいと思った娯楽は自由に作ればいい。
基本的な娯楽は国営でもいい。
アーティストもお金を儲ける必要がないので、自己表現、承認欲求でもいいが、自由に人々を楽しませてくれるだろう。

社会的弱者が守られる

高齢者、障害者、そして子供などは他者の助けを必要とする。
助けとは物理的なものだけでなく、精神的な、コミュニケーションの方が重要となる。
自己受容まで達成できる人間なら、自ずと弱者を助けたいという欲求を持てるので、無理なく助け合える社会が実現できる。
すべての人間が幸福に生きることができる社会になる。

その実現性は

一番の難題はすべての人が自己受容するということ。
自分のマイナス面を受け入れて前向きに生きていける、そんな強さを持てる人間は一部だろう。
全世界的に基礎の教育としてアドラー心理学を導入しても、それを正しく教えられる教師、そして親ができるまでに数十年。
そもそも、家庭と学校で教えたからと言って、人生の様々な課題を経験することなく達成できるのかは難しい。
自己実現の方は、能力のある人間が自己受容をしていれば自ずと達成されるはず。

おわりに

これはいつも思考の遊びで終わってしまっている。
とはいえ、著名な心理学者も同じことを考えたということで、
この価値が評価される可能性はあると思えた。

理想だとしても、それが正しいものであることが必要だ。


マズロー心理学入門―人間性心理学の源流を求めて

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